初心者の方で「バンカーが苦手です。」という人はたくさんいるでしょうね。
そういえば中級者クラスでも「バンカーが得意です。」という方にはめったにお目にかかりません。
なぜ、皆さんバンカーが苦手なのか?その理由は、ほとんどの方が『基礎を学ばないで、運動神経で打っている』からです。
バンカーショットは、「打ち方とコツ」を身に付け練習すれば、これほど簡単なショットはありません。
芝生の上で打つライと、砂の上の違いを学習しましょう。きちんと学習することで、きっとあなたはバンカーが好きになります。
今回はやさしい「バンカーショットの打ち方とコツ」を解説します。
ゴルフの正しいスイングを手っ取り早く学びたい方へ
バンカーショットの打ち方は、このサイトでも紹介していますが、最も効率よく学ぶ方法はプロに見てもらうことです。
手っ取り早くバンカーショットのコツや自分のスイングの改善を望む方はゴルフスクールに通うことをお勧めします。
その中でも群を抜いて実績を残しているのがRIZAPゴルフです。
全国各地にスクールもあり、まさに結果にコミットするという意味でもおススメできます。
おぼえておこう!バンカーの基礎知識・ルール・マナーについて
”バンカーから一発で脱出し、ボールがスルスルとピンに寄っていく”…こんな上級者のバンカーショットを目の前で見たら、初心者は超感動するのではないでしょうか。
「あんな壁の高いバンカーからベタピンだなんて!」…と。
ところが当の本人は「ちょっと砂をとりすぎたかな?」などとレベルの違う反省を口にします。
この両者の違いは『バンカーショットの打ち方のコツ』を知識として持っているかいないか、そして、経験の差です。
バンカーでダフったり、ホームランを打ってミスしないコツをすべてこの記事で学んでくださいね。
打ち方のコツさえ掴めば、あなただってバンカーから直接カップイン!もありますよ。
バンカーの基礎知識、最低限のルール、マナーについて順番に解説していきましょう。
(※バンカーの詳細なルールについては別の記事でわかりやすく解説します。)
【バンカー脱出の基本スイング】
バンカーで使う用語の意味を知っておこう
ゴルフにはさまざまな専門用語があって、その用語を知らないとコースに出ても、一緒に回る人やキャディーさんと会話がスムーズに進まなくなってしまう可能性があります。
ここでは、バンカーに関連する用語について、主に使うものを説明しましょう。
バンカー | 形、大きさ、深さもさまざまな窪地で、中には大量の砂が入っていてコース攻略を難しくしています。別名「サンドトラップ(砂の罠)」 |
スルー・ザ・グリーン | コースのOB杭の内側。バンカーや池などのハザードは除外されさらにティーグラウンド、グリーンも含まないプレーのできる全ての場所の意味です。 |
サンドウエッジ | バンカーから脱出しやすいようにバウンスがつけてあるクラブ。バンカー以外にアプローチでも多用されます。 |
バウンス(普段はバンスといいます=bounce) | 弾むとか跳ねるという意味の言葉です。サンドウェッジの底部に盛り上がった部分がありますがそのことをいいます。 |
レーキ | 荒らしたバンカーを均すための道具。野球のトンボと同じような形状をしています。 |
バンカーの起源とは?【ゴルフ豆知識】
ここでちょっぴり、ゴルフの豆知識!
「バンカー」という呼び名は、厳しい寒さのスコットランドで生まれました。
家庭の庭先にあった石炭貯蔵用の穴倉を、現地ではそう呼んでいたのが語源です。
そもそもゴルフコースはリンクスからスタートしました。
リンクスとは海岸が近くにある、自然の地形のまま出来上がったゴルフコースです。
海岸特有の砂地には肥沃な大地が広がり、自然のままの起伏があって、芝生は天然で育ち地面を覆います。
海岸にはつきものの強風が吹くため、家畜たちの避難場所として砂地の窪みを利用してきました。
ここに溜まった砂は、リンクスにとって格好のハザード(障害)になりました。
誰かが意図的に作ったのではなく、自然にバンカーができたのです。
ここには虫の糞、小石、木の葉などの自然物(ルースインペディメント)が溜まります。
ゴルフはすべてあるがままに打つ、つまりそれらには触ってはいけないというルールも生まれました。
そうした伝統的な名残は今もまったく変わっていません。
バンカーでの最低限度のルールとは?
バンカーの打ち方を解説する前に、これだけは覚えておきてほしいバンカールールを説明しましょう。
覚えておくべきバンカーのルールは次の3点です。
バンカールール
- ソール禁止の規定
- 足場づくりの禁止
- ルース・インペディメント
1.ソール禁止の規定
バンカーでは、クラブの一部が砂に触れることは禁止です。
打つ意思があってスイングするときは別で、アドレスしていてもいなくても、クラブや手などで砂に触れると2打の罰があります。(砂のテストと見なされるため)
2.足場作りの禁止
バンカーのなかの急斜面などで、打つ前に砂を集めたりならしたり、必要以上に深く掘りこんだりして足場を作ることも禁止されていて、は2打罰になります。
踏んで砂自体が自然に崩れるのは問題ありません。
3.ルース・インペディメント
ルース・インペディメントとは、ゴルフコース上に存在する自然物(木の葉や枯れた小枝など)のことを指します。
バンカーでは、入ったボールの位置に関係なく、ルース・インペディメントを取り除くことはできません。ただし、小石(例=1cm以内)や虫の糞は、ローカルルールによって動かせることがあります。
バンカーでの最低限度のマナーとは?
ルールだけでなく、バンカーにはマナーもあります。
バンカーショットした後は、周囲の砂面や足跡を元通りに平らにならしてからバンカー外に出る
これが、これがバンカーにボールを入れた、世界中のゴルファーに共通した最低のマナーです。
他人が荒らした後もまったく同様に、自分の跡同様丁寧に凹凸をきれいに直すのが常識です。これができない人はゴルフをする資格はありません。
ゴルファーの中にはスコアのことばかりに集中し、マナーに無頓着な方もいますが、いずれコースから姿を消します。
バンカーをきれいに直せるかどうかは、その人の日常の品格そのものです。
簡単!バンカーショットの打ち方9つのポイント
一番最初に書きましたが、バンカーショットを苦手にしている人の多くは打ち方を誤解しています。
習い初めに先輩から「バンカーはただダフればいいんだよ!」と教わっている人もいるかもしれませんが、それは誤解です。
バンカーショットとダフリは根本的に打ち方が違います。
その証拠に、アプローチなど芝生の上から打つショットを”エクスプロージョン”とは言いませんよね。
エクスプロージョン・ショットとは砂を爆発させてボールを飛ばす打ち方です。
サンドウェッジのバンス(バウンス)が砂を叩いて爆発を誘発し、(フェアウエイバンカーを除くと)クラブフェースとボールはほとんど接触しません。
アプローチショットの場合は、フェースとボールは必ず衝突しますから、そもそもその点が違いますね。
バンカーを一発脱出できる、方向と距離のコントロールをふまえた正しい打ち方とコツを、次に解説しましょう。
【必ず1回でバンカー脱出ができる方法】
ゴルフコースのバンカーは何種類あるのか?
バンカーといっても、実はゴルフコースには様々な種類があり、コースごとに砂質も違います。
まず、配された場所によるバンカーの種類は次の2つ
- クロスバンカー(和製英語で正しくはフェアウエイバンカー)
- ガードバンカー(正しくはグリーンサイドバンカー)
砂質もいろいろ、川砂と海砂では打ち方が微妙に違いますし、砕石を砕いたものでも粒子の大きさによってパウダー(粉質)であったりもっと小粒の重いものであったりといろいろです。
また、デザインの形状によって、次のように分けられます
- リソンバンカー
- ポットバンカーなど
と分けられています。
【ポットバンカーの語源は?】
バンカーショットの基本「スタンスとボールの位置」
この後で状況別の打ち方の解説をしますが、バンカーショットには「基本形」があります。
そのポイントは次の2点
スタンスと ボールの位置
状況別のコツはすべてこの応用になりますから、まずは基本形を抑えてください。
すべてはここが出発点なので、セオリーを知らないとややこしいことになります。
1.スタンス
少し開き気味に立ちます。
開くという意味は飛球線に対し左足を引いた形で、右足の位置は通常でいいでしょう。
両肩の向きは足の位置ほど開かなくてもいいのですが、足とともに開く角度はボールのライや飛ばそうと思う距離によって決まります。
通常はピンが近いほど開いたほうが簡単です。
2.ボールの位置
一般的には足を開いても開かなくても、常に左足の踵かそれよりボール一個くらい右に置くことになります。
フェースの向きと上げたい高さの関係からの応用が必要ですが、経験を積むと自然にスッと立てるようになります。
【バンカーショットのスタンス】
バンカーショットの基本「フェースの向きと体重のかけ方」
スタンスとボールの位置が決まったら、次はフェースの向きと体重のかけ方を確認しましょう。
1.フェース面の向き
ゴルフ雑誌をみると、”フェースを開く” という解説がいっぱい出てきて、それが初心者を迷わせます。
正確に言うと体が左に開く(右打ちの場合)のですが、フェースは自然にピンを向くので開いた(ように見える)だけなのです。
初心者が小手先で、グリップを捻じ曲げたりする不自然なフェースの開け閉めは間違っています。
2.体重のかけ方
構えた最初から、体重は左足に70~80%かけて立ちましょう。
窮屈な姿勢が下半身の動きに制約を与え固定してくれます。
グリーンサイドのバンカーからは距離を求めないので飛ばす必要はありませんが、スイング中の土台がしっかりしていないと脱出できるバンカーショットになりません。
3.エキスプロージョンと距離感
クラブフェースはボールには触りません。そこを初心者は誤解しています。
振り下ろしたクラブが最初に当たるのは、ボールの手前2~3cm手前の「砂」です。
バンスが当たると砂粒は激しい爆発を起こし、ボールを弾きだします。良いバンカーショットはパンという乾いた良い音がします。
ボールをすくい上げるのではなく砂を上から叩き、イメージ的には砂とボールをグリーンに飛ばす感覚です。距離感は芝生のアプローチショットの2~3倍飛ばすときの力加減が適当です。
【バンカーショット 正しい打ち方】
バンカーを打つ前にチェックすること5つ
バンカーショットの基本を説明しましたが、実は、ボールがバンカーに飛び込んだとき、真っ先にやらなければいけないことがあります。
それは、あなたのボールが入ったバンカーの正確な情報把握です。
この観察力を養うと、その場に応じた最適な打ち方が瞬時に閃きます。
確認するポイントは次の5点です。
確認ポイント
- ボールのライ
- アゴの高さ
- ピンまでの距離
- スタンスの傾斜
- グリーンの傾斜
1.ボールのライ:どの程度砂に沈んでいるか?ボールの前後に盛り上がりはないか?
2.アゴの高さ:ボールと一番高いアゴの部分とグリーン面の比較はどうか?
3.ピンまでの距離:ボールからグリーンエッヂまでと、そこからピンまでの距離
4.スタンスの傾斜:足場は平らか傾いているか
5.グリーンの傾斜:ボールの落とし場所からカップまでの傾斜
【近いバンカー、遠いバンカーの打ち方】
バンカーショットはボールの位置によって打ち方を変えよう!
バンカーショットの基本形が確認できたら、次は状況別で変わる打ち方のコツです。
ここでは次の3つのシチュエーションでの打ち方のポイントを説明しましょう。
- ボールが浮いた状況の時
- 3~6㎜程度沈んだ状況の時(通常の状況)
- ボールが目玉になっている時
1.ボールが浮いた状況の時
ボールがポコッとボールがティアップしたかのように浮いた状況なら、通常のショットに近いものになります。
つまり、アドレスもあまり開かず、いつもよりややシャロー(上から振り下ろさないでクラブの入射角が低く入る)気味に入れて大丈夫です。
2.3~6㎜程度沈んだ(通常の状況)の時
通常、ボールは3~6mm程度沈んでいます。この時はここまで解説してきた基本のバンカーショットになります。
体がスウェーしたリ上下動しないことに注意して振り抜きます。
よく、砂に打ちつけたクラブをそのまま抜かないで止めてしまう方がいます。これはミス率を上げるだけです。
力で距離をコントロールするかのような加減は止めて、トップの高さまではキッチリとフォロースルーをとります。距離は振り幅で変えましょう。
3.ボールが目玉になっている時
ボールが目玉になったら距離感も方向もなにも考えないことがポイントです。
目玉はボールが70~100%砂に埋まった状態です。すべては「一発脱出」あるのみです。
足場や傾斜で応用しますが、なによりフェースを開くだけ開いてサンドウェッジのリーディングエッジを鋭く砂に刺し込みます。
ほとんどの場合、目玉になったらパワーで出すことになります。
【目玉脱出法】
アゴの高いバンカーショットを打つときのポイント!
次に、さらに難しい状況…アゴの高いバンカーショットを打つときのポイントを説明しましょう。
アゴまでの高さがあるときや、アゴまでの距離がないときはさらにフェースを開きます。
フェースを開く分、スタンスもそれに追従しますからボールの位置も右に寄ります。
距離のコントロールは諦めて出すことに専念したほうがベターです。
このような状況でムリをすると高いボールが打てません。下手をするとトップして目の前の砂の壁に刺さり”大叩き劇場”の幕が上がります。
ゴルフはムリな欲がそのまま大きなミスになります。
場合によってはピン方向ではなく、横を向いてでも脱出させることを優先させます。
【アゴの高いバンカーショットの打ち方】
バンカーショットはクラブ選択も重要!
ここまで打ち方のポイントを説明してきましたが、バンカーショットはボールがおかれた位置とピンの位置によって、シッカリした応用力が必要になります。
バンカーを出るまでに15~25ヤードもあるとき、1度で出ないとバンカーショットアゲインとなります。
また、ピンまでの距離が20~40ヤードとかなり距離があるときは更に違う考え方が必要です。
初心者に多いミスは、ボールのはるか手前にクラブを入れて砂をすくってしまい、距離が出ないという失敗です。
これは距離がプレッシャーをかけているせいです。
初心者の方は、「バンカーに入ったら必ずサンドウェッジを使う」という誤解をしていることがあります。
バンカーショットはクラブ選びも重要で、距離があるバンカーは、プロもAW(アプローチウエッジ)やPW(ピッチングウエッジ)、50ヤードもあってライが悪ければ9番アイアンも使います。
あまり固定的な考えだけではなく、柔軟で臨機応変に対応するクラブ選択能力が必要です。
【バンカー=サンドウェッジは間違っている!!】
足元の傾斜に対応したスイングをしよう!
意外なことに、中級クラスのゴルファーでも、足元の傾斜に無頓着な方がいます。
この観察眼がないとイッキに失敗率が上がります。
スタンスが平らなら、自分が一番自然にスイングできる立ち方が可能です。
つま先下がりや、つま先上がりは比較的応用が簡単です。
この場合は傾斜に対して直角に立つことと、体の重心をいつも以上に下げるポスチャー(構え方)を心がけます。
左足上がりのバンカーはもっとも簡単なので下半身をシッカリさせて振り抜くだけです。
問題は逆に左足が下がっているときで、難度がいっぺんに上がります。
傾斜の角度によりますが、左右の足が5~10cm以上の高低差があるときは注意しなければいけません。
まず、ボールは高く上がらないというイメージを固めます。
傾斜によっては相当な上級者でもムリです。
初心者はこういう状況ほどボールを上げようとしてすくい打ちし、ボールは1~2m前に行くだけで失敗するケースがあります。
最初から上に上がらないライナー系のボールになることを想定し、極端にフェースを開いて砂を薄くとるようにショットしましょう。
ピンは考えず、脱出だけで十分です。
【バンカーは傾斜にコミット?】
バンカーショットの前にグリーンの傾斜を確認する!
ガードバンカーならポイントはアプローチと同じで、狙いは「落としどころ」です。
バンカーから打つ前にグリーンの面に立って、傾斜を確認しておかないとどこへどのくらい打ったらいいのか見当がつきません。
落ちたボールが右に行くのか左に転がるのか、奥に早いのか遅いのかくらいは情報として必要です。
日頃から自分のバンカーショットの飛距離を練習で把握しておきましょう。
バンカーの打ち方のコツ、ルール、マナーについて・まとめ
バンカーショットのコツがお分かりいただけましたか?
バンカーショットは、打ち方はコツさえ掴めば難しいショットではないのです。
写真のようにバンスをうまく使い、要点さえわかればだれでも一発で脱出成功!
それどころか、ピンに絡んでいわゆる「スナイチ(砂場から1パット)」だって可能なのです。
バンカーに慣れてくると、グリーン周りの深いラフからアプローチするよりはるかにやさしいショットであることを知るでしょう。
とにかくチカラいっぱい叩いても相手が砂なのでボールは飛ばないという安心感があります。
バンカーに自信がつき「あのバンカーがいやだなぁ…。」と思う気持ちがなくなるだけでナイスショット率が上昇します。
それだけでも100切りはぐっと近づくでしょう。