ゴルフのスイングで混乱しやすいことのひとつに「手首の使い方」があります。
手首を使ったほうが良いのか悪いのか、あなたはそんな迷いを持ったことがありませんか?
手首を使うべき時と使ってはいけないときが真逆になっている人もいますが、これでは上達が望めません。
ゴルフスイングにおいて手首の役割とは、ボディターン派とリストターン派があります。ケース・バイ・ケースでの手首の上手な使い方などを読めば、すこしも難しくないことがすぐわかります。
ゴルフはいったん間違ったスイングが習慣化すると、3年前に床に貼ったガムテープのようになかなか剥げれてくれないものです。
今回は、ゴルフのスイング、その中の「手首」についてやさしい解説をしていきます。
ゴルフの正しいスイングを手っ取り早く学びたい方へ
ゴルフのスイングは以下の方法で改善することはできますが、最も効率のいい方法はプロに見てもらうことです。
手っ取り早くスイングの改善を望む方はゴルフスクールに通うことをお勧めします。その中でも群を抜いて実績を残しているのがRIZAPゴルフです。
全国各地にスクールもあり、まさに結果にコミットするという意味でもおススメできます。
ゴルフのスイングで「手首」に関する基本知識、4つのポイント
ある雑誌には「手首を返したらいけません」とあり、別なサイトでは「手首はシッカリ返しましょう」となっていて、レッスンを受ける初心者の方などは複雑でワケがわからないかもしれません。
それはなぜでしょう?
ゴルフのスイングで、手首がどんな仕事(役割)をするのかという知識さえあれば簡単に理解できます。
日本語の難しいところですが、「手首を返す(リストターン)」という言葉の意味が、ある時は「手首を折る」または「手首を回す」という具合に使い分けられているため余計に複雑になっているんですね。
これから始まるそもそもの「手首を返す」という言葉の源流を知れば話がよく見えてきます。
まずは使って良い時悪いときを学ぶ、ボタンの掛け違いはダメ
手首を「使う」「使わない」の問題について、雑誌やサイトのどこに書いてある記述もおよそ間違いではありません。
つまり、手首を使っても良いとき、使ってはいけないとき、使わなければならないときと三通りのケースがあるからです。
まず手首を返すことについての大原則を学んでください。
スイングの原則
ゴルフのスイングは、グリップとアドレスからはじまり、トップを作ってからクラブを振りインパクトからフィニッシュまでのワンユニットで完結します。
ゴルフでうまい人とそうでない人の差は、パワーを最大の効率でボールに伝え(インパクト)、いかに再現性の高いクラブさばきができているかどうかということにつきます。
女子中学生がお相撲さんのドライバーショットを越えていくのは、その「効率と再現性」に要因があるからです。
次にスイングの総論と各論を学んでおこう
一口に「スイング」といいますが、基軸となる総論と場面ごとの各論に分かれます。
良いスイングとは
良いスイングとは?
「頭、首、肩、体幹、腕、手首、腰、股関節、下半身、太もも、膝、足の裏」という12部位がバランスよく連携できるかにつきます。
上達のためには、総論である12部位のバランスを知ることと、手首やほかの部位を各論としてひとつずつ消化するとメキメキ上達します。
初心者の方で、時間がかかっても上達しない場合、この総論と各論の仕分けが分かっていなかったり、他人の見よう見まねで覚えてゴチャゴチャにスイングを身につけてしまった方はたくさんいます。
タイガー・ウッズのスイングに憧れたり、お気に入りの女子プロのスイングをいきなり真似ても、年齢や骨格が違えばスイングそのものが身につかず、ムリすればどこかを傷めるでしょう。
基本を学んで自分に合ったベスト・スイング、一番効率よい方法で練習しましょう。
手首の使い方でタイプが異なるボディターンとリストターン
その人ごとにベストなスイングがあると解説しました。
スイング全体の総論はさておいて、手首を例にして解説すると良いスイングがわかってきます。
手首というひとつの部位の上手な使い方がわかると、飛距離や方向性に反映されてきて格段に上達します。
では手首を返すことが必要かどうか、手首を返す打ち方がその人にあっているかどうかという点にわかりやすく入りましょう。
ちょっと乱暴な分類かもしれませんが、大ざっぱに分けてアマチュアのゴルファーはボディターンタイプとリストターンタイプになります。
実際は人それぞれに年齢・性別・体幹が異なるので微妙なところがあります。
まず体幹そのものがパワフルな方、あるいはまだ若い肉体を持っている方はボディターンのスイングを基盤とした方がいいでしょう。
手首のターンをあまり使わないほうが腰の負担も軽減できます。
それで必要な距離が出せれば一番で、最近の傾向はボディターンに向けられています。
リストターンタイプは、パワーだけではカバーできない人に必要とされます
パワーのない方は、リストをうまく使ったほうが安定したスイングになることは珍しくありません。
基本はボディターン、タメの利かし方を覚える
このような分類は乱暴と解説しましたが、まさにその通りで、主軸はどちらであっても、どちらも上手く混合して練習するほうが上達します。
つまりボディターン派はリストターンを取り入れ、リストターンが主体の人もスイングの基本はどうしてもボディターンなので、バランスよく練習することが大事です。
どちらにしても、手首が「タメの利いた良いスイング」に貢献するために、正しいリスト・ターンのメカニズムを知っていないとできません。
ワンユニットのスイングの中で、手首はコックと正確なタイミングでアンコックの動作を行います。
わかりやすい場面別の手首の使い方、柔軟な知識と経験で臨機応変しよう!
それでは次の3つの場面を想定して解説しましょう。
想定される3つの場面
- アプローチ
- スタンスやライ次第で「手首を使ってよい」ケース
- 手首を使わなければいけないケース
1.アプローチでは手首を固定します。このスイングで手首を使うと距離も方向も不安定になります。
場合によっては例外もありますが、ほぼすべてのプロが「手首は使ってはいけないのがアプローチの基本」と教えています。
2.飛距離だけではなく、スタンスやライ次第で「手首を使っても良い」というケースが出てきます。
フェアウエイウッドやアイアンショットがこの例に当たり、この後で詳しく解説します。
3.「手首を(上手に)使わなければいけないケースとは、例えばドライバーショットなどが例に出てきます。
手首を返すことと固定すること(コックとアンコック)で、人間の手首の特性をうまく利用して飛距離がでる打ち方ができます。
手首は柔軟でしなりがありますので、ヘッドスピードのアップに直結していると考えてください。
手首を使ってはいけない場面とは?
では順番に解説しましょう。
1のケースです。
さらに細かい解説はアプローチのところでもっと詳しくわかりやすい記述を書きますが、ここでは大ざっぱに手首を使うとなぜいけないのかを理解してください。
アプローチで手首を使ってはいけない理由
アプローチは飛距離ではなくタテカン(距離合わせ)と方向、正確性を重視するため、手首を返してはいけません。
100ヤードあってもアプローチという言い方はありますが、ここでは一般的な50ヤード(45m)くらい以内と想像してください。
初心者の方の大きな勘違いは、14本のクラブの中で最も長いドライバーと短いウェッジを同じようにスイングしていることです。
ドライバーではスイング・プレーンがフラットになりますが、アプローチではアップライト、つまり縦振りに近づきます。
※スイング・プレーン=日本語では「面」という意味になります。
ゴルフのスイングで、トップからフィニッシュまでのシャフトの通った軌跡面と理解していいでしょう。
距離を求めない時はボールに近づき、スイングも小さくなる分だけ手首は使ってはいけません。
距離の要らない細かい作業だけに、手首を捏ねたり被せたりした分だけクラブフェースの芯に当たる確率が下がります。
ボールの置かれた場面次第、ライ次第で手首の使い方が変わってくる
2は、ボールが置かれた状況は常に千差万別、千変万化だとという意味です。
ゴルフコースは天然の大地と自然に溢れています。
ということは、ボールが飛んで行って止まった場所は芝生が刈りこまれていたりいなかったり、足場の傾斜が斜めになっていたりとさまざまです。
町の鳥かご、いわゆる打ちっぱなし練習場は完璧に水平な足場で、平らなマットに置かれたボールを何発も打てますが、ゴルフコースの現場にいくとその都度対応を迫られます。
一例として、足場よりボールの位置が5cm高いとします。
練習場の打ち方そのままですとおよその場合、体が立つ分だけボールはフック回転がかかり、狙っているポイントより左に飛ぶのが通常です。
野球のボールを巻き込んで打つイメージを持ってもらうとわかりやすいかもしれません。
この場合は足場とボールの落差を計算に入れてクラブを短く持ちます。
どのくらい短く持つかはその時次第なので一概にいくらといえませんが、5cmなら指1本くらい短く持って大丈夫でしょう。
つま先上がりの傾斜なら、手首を返さないほうがうまくいく確率は上がります。
手首をテーピングしたようなイメージが必要で、この場合は飛距離がやや落ちるのでもっとロフト(クラブフェースが空に向かって何度傾いているかで表される角度)のある、一番手か場合によっては2番手大きいクラブでスイングします。
これはほんの一例ですが、手首を上手に使わないといけないライもありますので、2はすべて状況に応じた対応と応用力が必要です。
飛距離を求める場面では、手首をうまく使わないと結果が出ない
3はドライバーショットのように飛距離が求められる場合で、手首をタイミング良くコックしたりリリースしたリしないと良い結果は得られません。
昔と違い、現代ではスイングや手首の使い方は科学的に説明することができるようになりました。
ドライバーだけに限りませんが、良いショットを打つ必須条件もわかっています。
直近では「ボールの初速」が非常に重要なキーワードだとされています。
プロレスラーより、なんだか軽く振っている女子プロのボールのほうがなぜ飛ぶのでしょうか?それこそが初速の違いなのです。
良いショットを打つための必須条件は次の4つです。
良いショットを打つための必須条件
- ボールがクラブフェースと衝突するポイントは「芯」でなければいけません。(「芯」とはスイートスポットと呼ばれる500円玉一個くらいの狭い場所です。)
- クラブが自分に合っていないシャフトの硬度やライ角では、なかなか効果的に飛距離が出てくれません。
- スイングの時、手首をうまく使って、効率の高いクラブヘッド操作が大事です。力ではなくヘッドの加速のコツ次第で最大限のヘッドスピードが得られます。
- 上記の3点について、結果の良し悪しを決めるのが腕の振り方と手首だと理解してください。
ゴルフスイング、手首を生かすか殺すか、ヘッドスピードに関係する使い方
手首の動きの解説では必ず登場するゴルフ用語があります。
それが、コックとアンコックです。
コックとアンコックとは?
コック…スイング中に手首を曲げること
アンコック…その曲げた手首を伸ばすことを意味しています
さて、ハンマーで釘を打つことを想像してみてください。
手首を全く使わず、ヘッドの重さだけで釘(ボール)に当ててもパワーは最悪の効率になります。
ドライバーなど距離を求めるスイングでは、要所要所でコックとアンコックが行われます。
アマチュアの方でミスショットが出るのは、手首のコックとアンコックにおいてボタンの掛け違いをしているケースがほとんどです。
つまり一連のスイング中で、手首を活用する場所と手首を使ってはいけないところが逆になっているのです。
詳しいことはドライバーなどの打ち方で詳しい解説を行いますが、大ざっぱに解説しておきましょう。(右打ちが例です)
たったワンセットのスイングであっても「手首」には生かすところと固定する部分がある
つまり冒頭で解説した「手首を使わなければいけないケース」とはこのことです。
ただ、読んでご理解いただいた通り、1~8のワンセットのスイングの中でさえ、手首のコックとアンコックしなければいけないパーツとパーツがあることが理解できるでしょう。
2の解説でも登場しましたが、この手首の使うべき時と使ってはいけないところのボタンを掛け違うと、大きなミスに繋がります。
このように手首をコック・アンコックする操作は、今後も出てくる「スイング効率」そのものです。
両腕をできるだけ伸ばし、背骨の軸をぶれさせないでボディターン(肩と腰の捻転)ができればボールはかなり遠くまで飛ばせます。
スイング中の手首さばきが上手ければヘッドスピードが出せる
初心者の方のよく見るミスに、腕を伸ばさないで手首をなにかドアノブを握って扉を開いたり閉じたりするのと非常によく似た動きをする方がいます。
相当同情的に見て、結果が得づらいギクシャクとしたスイングでも、常に不変の反復性があれば大半の問題は解決します。
しかし一般的には手首をこねるといわれて安定感の点からも、インパクト効率の点からもあまりおススメではありません。
手首をこねるよりスムースな体の捻転、肩の回転と軸の安定感があれば力を要さずに飛ばすことができます。
ゴルフスイングで手首の動きの共通点
手の甲側や手のひら側に折る横の動きは(後述の例外あり)一切推奨されません。
スイングの流れの中で親指側に縦に折ってタメを作ることはあっても、横方向にカクっと曲げてしまっては全部のフォームが壊れることを理解すべきです。
先の例外とは、アドレスで左手(右打ち)が少しだけ甲側に曲がるなど部分的なものです。
ただし、左手の甲を折るグリップの方はスイングしている間はその角度をキープしたほうがベターです。
ゴルフスイングで上手な手首の使い方のまとめ
まだゴルフを始めて間もない方は、「ゴルフのスイングと手首の関係」をあまりわかっていない方がほとんどです。
ひとつにはゴルフのスイングはたった1秒前後で振り切られるというスピードが関係しています。
プロのスイングをいくらシッカリ見ても、あまりに早すぎて手首の細かい使い方まで到底確認できませんね。
そこで今回は「スイングと手首」についてわかりやすくまとめました。
まずは基本となる4ポイント、そしてケースバイケースで手首はどのように使い分けされているのか、最後は手首を上手に生かせばヘッドスピードも上がるという応用的な解説も入れておきました。
手首に関しては、このいくつかの要点を頭に入れて練習すればメキメキ上達すること間違いありません。
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