「パターがうまい人はゴルフがうまい。」といっても言い過ぎではありません。
それほどパターというギア(クラブ)を打つ回数はたくさんあります。
1~1.5mの距離を半分以上外していては、到底「100切りゴルファー」のレベルには到達しないでしょう。
じつはパターがうまい人は、パターの選び方もうまいのです。
ザックリ分けてパターの選び方は二通りです。
ひとつは、自分のプレースタイルに合ったパターを選ぶこと。
もうひとつは、パターに合わせた打ち方を身につけることです。
今回はメキメキとパターがうまくなる「パターの選び方」を解説します。
ゴルフに関する情報を手っ取り早く学びたい方へ
パターなどゴルフクラブの選び方はこのサイトでも詳しく紹介しています。
でも、最も効率よく情報を得るにはプロに相談するのがよいでしょう。
ゴルフスクールでは、ゴルフスイングなどだけでなく、スイングのクセや体格などにあったクラブなど、クラブに関する相談をすることも可能です。
その中でも群を抜いて実績を残しているのがRIZAPゴルフです。
全国各地にスクールもあり、まさに結果にコミットするという意味でもおススメできます。
パター選びの基本!タイプ別パターの特徴を知ろう!
ひと口に「パター」といっても、本数も種類も無数にあります。
まず、タイプ(形状)に、次の4種類について解説しましょう。
形状別パターの種類はてな
- ピン・タイプ
- L字タイプ
- マレット(かまぼこ型)とネオマレット・タイプ
- T字タイプ
- その他個性的なタイプ
人との出会いもそうですが、初対面でパッと閃く瞬間があります。
実はパターを選ぶときも、最初の印象が大事なファクターです。
初めから「難しそうだな?」とか、「ちょっと握った感じが手になじまないなぁ。」というクラブを購入する必要はありません。
第一印象が良くてグリップした感触が良かったなどなど、気に入ったものから選ぶのですが、掘り出し物を選ぶにはタイプ別の知識が必要になります。
昔から人気のパター「ピン・タイプ」の特徴
最近、ゴルフクラブの中でもパターというジャンルは分類不能なタイプが次々に出現しています。
しかし、時代が変われどクラシックの名品といえば「ピン・タイプ」に落ち着きます。
ピン・タイプの特徴は、ネックの部分がクランク・ネックといって鉤型になっていることです。
クランク・ネックはクランクシャフトに似ていることからきており、クランクホーゼルともいわれています。
1980年代の統計によると、メジャーで優勝したプロゴルファーの65%(40回中26回)が使っていた記録があるほど、その時代は人気のピークでした。
ヒール(フェースの踵)とトゥ(フェースの先端)に重量を掛けたデザインが画期的で、スウィートスポットが広めなのでストロークに使う神経が軽減されるタイプです。
ピン・タイプがおすすめの人
ピン・タイプがおすすめなのは<器用なゴルファー>です。
グリーンの起伏や芝目など、状況に応じて打ち方を変えられるなど、パッティングが個性的な方に向いています。
【ピン式パターのフィッティングを紹介】
日本人ゴルファーも愛用するパター「L字タイプ」の特徴
100勝以上の優勝回数を持つジャンボ尾崎もかつて愛用していたパターです。
いまでもフィル・ミケルソン、石川遼などたくさんのプロゴルファーが愛用中です。
ヘッド部の形から想像できそうですが、シャフトの付け根がヒール付近に装着されているため、アイアンに似ており、アプローチから違和感なくストロークに入りやすいタイプです。
L字タイプがおすすめの人
L字タイプをおススメしたいゴルファーは、アイアンショットが得意であったり、パッティングの時にローテーション(フェース面が円を描く)をする方です。
また、方向性より距離感がほしい方には、このL字が良いでしょう。
タッチ(打感とか打ち出しの微妙な指の感覚)を重視するタイプにもオススメですが、それだけフィーリングに自信がないと扱いが難しいパターでもあります。
【L字型パターの特徴を紹介】
方向性が抜群のパター「マレット(かまぼこ型)とネオマレット・タイプ」の特徴
パターのヘッドには重心深度というものがあります。
重心深度は、フェースからヘッド全体の重心までの距離を意味しています。
マレットやネオマレットはその重心深度を深くしようという考え方が基本にあります。
その効果はボールをヒットしたときに、クラブフェースの半分から下の面に当たっても転がりの良いボールになるというものです。
これらのタイプは比較的デカヘッドが多く、デカいということは慣性モーメントが大きいのでヘッドが返りにくいということもあります。
そのためフェースローテーションができなくなって、直進的なストロークになり方向性の質が高くなります。
さらに、ヘッドが大きいと意匠的なラインを何本も刻んだりする場所があって、打つ方向を決めやすくします。
マレットタイプがおすすめの人
マレットタイプをオススメしたいゴルファーは、フェースローテーションしないまっすぐ引いてまっすぐ打つタイプです。
また、距離感が良いのに方向が定まらないタイプにも向いています。
中級者向けの人気パター「T字タイプ」の特徴
文字通り「T字」をベースにデザインしたタイプです。
一時大流行したこのタイプの代表にオデッセイの「ツーボール・パター」があります。
フェース後方に白いボールふたつを並べたデザインで、「あ、アレね!」と気づく方もたくさんいるでしょう。
並んだボールの「絵」とボールをパッティングラインの軌道に合わせるという単純さが人気でした。
シンプルなアドレスが簡単にできる安心感があり、操作性に優れていますが、デカいヘッドの割に重心深度はそれほど深くありません。
T字タイプがおすすめの人
T字型パターは、ある程度パターがこなせるようになった中級者向けにできています。
【T字型パターの代表格オデッセイ・ワークスの紹介】
その他、珍しい個性的なパターとは?
パターは、あとから説明するルールをクリアすれば、何でも使うことができます。
そのため、中にはアイディア物だったり、奇抜なタイプも出回っています。
これらは単なるショー(見世物的)のためと思っていては損をします。
人はすべて個性の塊、人それぞれ打ち方が違います。
「えっ!ナニこれ?!」と思うタイプも、使ってみたらなんとピッタリ手に馴染んで手放せなくなる逸品というか、その人にとっての「お宝」があるものです。
常に探し求めていると、そんな掘り出し物に巡り合うことがよくあります。
見たこともないパターがアメリカのPGAゴルフイベントに出品されていました。
特徴はクリスタルで透明なヘッド、ヘッドの底が平面で手を離しても自立するという変わり種です。
アドレスしてからパターを離し、プレーヤーは後方からパッティングのラインがガラス越しに見えるという優れものです。
パターは誰でも世界にある無数のタイプから、自分に一番合ったものを選ぶことができます。
【立つパターもあります】
パターの正しい選び方7つの注意点
パター選びは簡単ではありません。
ゴルフ愛好家はショップにズラッと並んだパターを見るだけで心がウキウキしてきます。
ゴルファーの中には3タイプくらいをいろいろ使い分ける方もいれば、「正妻」を決めてそのパター1本勝負という方もいます。
パター選びは多少浮気をしても、いろいろ使っていくうちに生涯の伴侶に出会うことがよくあります。
感触の良いものに出会ったらまず使ってみることが大事です。
ただ、選び方の次の7つの注意点は必ずチェックしましょう!
パター選びの注意ポイント
- パターのネック形状
- センターシャフト
- パターの長さ
- パター・グリップの材質
- パター・グリップの太さ
- 中古でも大丈夫か?
- 手作りパターは?
カップインのポイント!パターのネック形状の違いを知ろう
パターのネックというのは、ヘッドとシャフトの接続部のことで、カップに入れるための工夫が集中的になされています。
ネックの形状は、構えた時にしっくりくるものと、打った時のフィーリングに関係します。
パターのネックの主な種類と特徴は次のとおりです(※センターシャフトだけはこの後個別に解説します。)
鉤型 | ピン・タイプに多用されている最もスタンダードなネック形状です。 |
グースネック | ネックが少しだけグニャッと曲がり、アドレス時少し内側に入り込む型です。 |
スラントネック | ネック部分が(右打ちの場合)上から見て右に傾斜している形状です。その分、アドレスして真上から見るとシャフトの延長線上付近にボールがあります。鉤型の変化形です。 |
ベントネック型 | マレットタイプに多く見られる型です。シャフトは付け根の部分に接合部がないすっきりした形で、蛇の首のように曲線になっています。 |
タイガーウッズは、スラントネックの”スコッティ・キャメロン・プロプラチナム・ニューポートミッドスラント”というタイプを使って大流行しました。
また、ベントネック型は、オデッセイのホワイトホットなどに多く、この曲線の流れとヘッドの取り付け角度次第では、驚くほど良くなったり悪い感じになったりという個人差があります。
【パータのネック形状について詳しく解説】
意外と簡単に使えるパター「センターシャフト」の特徴と難点は?
「センターシャフト」という名前通り、シャフトの先はヘッド部分の中央にグサッと刺さっているタイプです。
見た目がとても単純明快な形状からか、かえってアマチュアに”難しんじゃないの?”と誤解されているT字型の原型タイプです。
ところが一度使ってみると見た目通りの簡単さに驚かされます。
実際にこのタイプを使っているプロゴルファーには、パットの年間成績が優秀なプロゴルファーがたくさんいます。
谷原秀人プロをはじめ、センターシャフトブームの元祖の一人、PGAのザック・ジョンソンがいます。
ザックのパターは”SeeMore社”のもので、最近はラッセル・ノックスも使い始め流行しています。
ほかに有名なものとしては「ブルズアイ」で別名「キャッシュイン」と呼ばれているタイプがあります。
こちらの原型的なものは青木功プロも愛用していました。青木功プロは、アメリカのメジャーでジャック・ニクラウスを追い詰め、あまりにもパッティングが良いため「オリエンタル・マジック」とメディアが書きたてていたくらいです。
しかし、重心が中央に集まっているということでちょっとしたストロークのブレに敏感で、フェースが閉じたり開いたりしやすいという操作性に難点もあります。
【青木功モデル・キャッシュインパターを打ってみた】
パターの長さを選ぶときの注意点
男性用として一般に市販されているパターの長さは32〜36インチです。
注意点としては、「背の高い人には長いパター、小柄な方は短いパター」いうのは間違いであるということです。
パターの長さは、その人ごとのポスチャー(打つときの姿勢)次第で決まります。
目安としてはパターを構えたとき、ボール位置が目の真下に来た時の距離に長さを合わせるのがいいでしょう。
中尺や長尺パターもありますが、統計的には34インチが多く、女性は33インチが一般的です。
【パターの長さと構え方】
パター・グリップの材質にもこだわろう!
パターは、グリップの材質や太さもとても大事です。
どのパターにしようかと悩んだ時は、まずグリップの材質を確かめましょう。
ネット通販ではなかなか握った時の感触がわかりませんから、できればゴルフショップで体験するのが一番です。
まず、パターグリップの材質には次のようなものがあります。
グリップの材質
①ゴム製グリップ
②樹脂系コンパウンドグリップ
③皮製グリップ
革製はかなり昔の流行りで、今も使っている方はあまりいないようです。
現在は、樹脂系グリップの中でも、ドライコンパウンドを使ったタイプが好まれています。
手の平に吸い付きがよく、耐光性や滑りにくさがあり、神経を使う雨の日にはとても重宝なグリップです。
ドライコンパウンドを使用したパターグリップの中には、ラバー素材と表面にエンボスなどを施したデザインでさらにグリップ力が良くなるため、ドライバーやアイアンだけではなくパターにも使われています。
【人気パターグリップ】
パター・グリップの太さにも注目してみよう!
パターを選ぶときには形状、材質が大事だということを書いてきました。
ひと昔前まではグリップの太さというと、微妙に違うだけでした。
しかし、あるPGAのツアーでチェ・キョンジュ(K.J.チョイ)という韓国の選手が使い始めたところ急速にパッティングが良くなったとして一気に注目されたのが極太グリップです。
このタイプは使い方に独特のコツが必要です。
太くて平らな面積が上部にあるため、つい指先をそこに置いて打ちたくなりそうですが、この極太は指先をあまり重視すると距離感が合わなくなる傾向があります。
例えば、神社でお参りするときの手の形で、両方の親指が少し接触する形で手のひらに空間を空けます。
一般的にはグリップのロゴが上から見えるように握る方が多いようです。
人により個人差があるので一概に言えませんが、極太を使うプロゴルファーの多くがこの形なので、意外と打ちやすいのかもしれません。
【パターのグリップの選び方、3つのポイント】
パターは中古でもいいの?
ここまでの解説でお分かりになったかと思いますが、パターが自分に合うかどうかは、使う側の個性とパターの形状や長さなどのフィーリングで決まります。
価格という点でも、時代的な新型だとか新品か中古かということは全く関係しません。
2000年ころからゴルフクラブの中古ショップが国内にも誕生しました。
いまでは55万本以上の在庫を誇るショップもあり、逆に歴史的名器を売買するお宝マニアも登場する時代になりました。
パター選びはこのようなショップを回って、実際に手にして打ってみることもファンの喜びに繋がっています。
なんと!価格は500円くらいからあります。
パターはコースで使ってみないとわかりませんからいいと思ったら迷わず購入してみるといいでしょう。
【中古パターの選び方】
意外と楽しい!お手製パタークラブの作り方と注意点!
水道管で作ったパターを見たことがあります。
打面の接触面積が直線なので、よほどうまく打たないとボールは転がりの悪いものになります。
このような困難極めるパターで練習すれば、逆に芯を外さない打ち方が身につくとも言えます。
手作りパターを実際にコースで使っていいのかどうかはルール次第です。
規則に抵触しないものを作ってエンジョイするのも、別の意味で楽しいゴルフになるかもしれません。
細かく書くと長くなりますので、パターを手作りする際のポイントを挙げていきます。
パター作りのポイント
- ソール(底)からシャフトの直線部分までの5インチ(約127mm)以内の間はどういう曲がり方でも形でも許されます。
- グリップに手の形の、例えば握りの凹凸などの跡を掘りこんではいけない。
- グリップの断面が円形でなければならないのはパター以外のクラブです。パターは左右対称で、グリップ全体が同形なら許される。ただし、くびれや太さの変化をつけてはいけない。
- パターにはヘッドを貫通する穴や、視覚に入る所に線を書いたり溝を掘ることが許されている。
【奇抜なパターを自作しよう】
パターの種類、正しい選び方・まとめ
ゴルフのクラブは全部で14本以内と決められていますが、実は『パターとそれ以外』という分類にするとわかりやすくなります。
それほどパターは他のクラブとは一線を画すクラブです。
直接カップに転がして入れるパターはスコアを左右するいわばゴルフの”命”といえます。
わかりやすい数字をご紹介しましょう。
ゴルフコースはパー72かそれに近い数字で造成されてています。
72は「ショット36+パット36」が基準値になっています。
実際は36:36という割合はやや変動し、アプローチがパーオンのカバーリングをしますから、ショットとパッティングは60%:40%だといわれます。
それにしても14本のクラブの中でパター1本だけが40%となると、いかに存在が大きいかお分かりになるでしょう。
初心者が100切りするための絶対条件として、まさにパターがポイントになります。
ゴルフはどんなプロでもアマでも、パターの選び方ひとつでスコアが変動するゲームなのです。